宵闇に染まった 空を往く風が鳴る
雲たちを引き連れ ひゅるひゅると
夜を射抜くは星 鈴を奏でるように
幾星霜のとき 飽きもせずに
ここには見えない 道があろうものか
そう思うと 鐘は鳴り終わった
街の灯は消え去り 黄昏る人々の
聖者の行進は 立ち止まった
星が呼んでいる そう呟きながら
全てを連れ 空へと駆け上がる
両手を広げて 夜の闇を行く
藍染めの衣 その身にまとって
満たされた心は 溶けて消えてしまった
そこに在った意味も忘れたまま
最後に見た 髪飾りは ゆらゆらゆれ
まるで鬼灯のよう
今夜降り注ぐ 彗星たちを
一つずつ集め 空に帰してく
その目に映った 朱の輝きは
心に宿った 魂の色か