街の灯が 遠慮がちに点(とも)りだし
夕暮れが 音も無く近づけば
胸にふとよぎる 淋しさは何故でしょう
ねえあなた やさしさをくれますか
さりげない いたわりをくれますか
いつも触れる手の ぬくもりが恋しくて
港の見える部屋で も一度抱かれたら
あなたの笑顔に 逢えるでしょうか
今夜はこのままずっと 帰りたくない私
ねえあなた 冷たさが愛ですか
少しだけ 気づかいは嘘ですか
そっと襟元を くすぐって吹く夜風
コーヒー・ショップの ドアに涙を写したら
悲しい心が 見えるでしょうか
歩道に寄りそう影は 離れたくない私
港へ続く小道 歩いて行く二人
あなたの背中が ぼやけて居ます
今夜は夜霧の中へ
帰したくないあなた
今夜は夜霧の中へ
帰したくないあなた