白壁沿いのお堀端
おしろいつけて紅ひいて
私はひとり立ってます
やがてあのひと来る時刻
かすかに聞こえる下駄の音
嬉しさと恥ずかしさ
半分づつなの恋ごころ
鐘の音ひびく屋敷町
恋しいひとを待ちわびる
私は今日も片想い
水辺にうつる太鼓橋
絵日傘さして晴着着て
やがてあのひと来る姿
柳の並木に見えがくれ
好きだとも嫌いとも
確かめられない恋ごころ
明りのともる屋敷町