夏のはじめの 長雨に
心細さが ついつのる
けものみたいに 肌をよせ
天井みつめて 吸うたばこ
しょせんやどかり 人生は
やさしけりゃいい 腕の中
秋になる頃 死んだやつ
黒い服着て 落葉道
うすい煙りの 煙突を
泣きもできずに 見あげてる
宿をなくした 身の哀れ
冬の明方 雪あかり
こんな時には 想い出す
花が折られる 哀れさで
無理に女に なった日を
いのちひとつも 借りたまま