肌を覆う油膜
拭う風も吹かず
じめついた夜に
舞い散る胞子
宴の用意
眠らない街
仮面かぶる素顔
傾いた誘蛾灯
往々
記憶開く
歪む場面
深く刻む
二重螺旋
底の近く
見える影
空に浮かぶ
月は下弦
喉の渇き覚え
甘い嘘を求め
覗き込む袂
未来と過去を
飛び交う羽音