粉雪ちらつく夜の事
私を生んで母さん死んだ
この世に未練を残して残して
冷えた冷えた
父さの名前も知れぬまま
私は一人でわらの上
父さの名前も知れぬまま
私は一人でわらの上
胸に残った温もりは
女の因果を教えて消えた
お下げの私を見ないで見ないで
行った行った
瞼の面影追えぬまま
私はひっそりわらの上
瞼の面影追えぬまま
私はひっそりわらの上
日陰に育った悲しみが
親子二代に続いて生きた
情なし世間に一人で一人で
すねたすねた
女の血潮に濡れたまま
私はだまってわらの上
女の血潮に濡れたまま
私はだまってわらの上