揺らぐ空気が ふたりの音 刺していた
見放された國で 藍に円く 燈落とす
見つけた住みかに 華を喰らう夜のケモノ
幸せに嗤う声が 視界掠め盗る 誘蛾灯
溺れるサカナ 地を這う極彩鳥を泳がして
この夜は二度 触れられない呼動
「寄せて、」「帰して、」
「押し黙ったまま、側にいて。」
過去もすべて飲み干したなら
崩れ落ちる 灰の塔
上気せる逆子 真綿の告白文で
ためらうこともなく 今
壊してくれ この楽園ごと