貴方の言葉が 貴方の記憶が
わずかな世界を満たして
映画の終わりに数分あるような
心地よい今日だ
手に取る運命は 手放す運命が
増えていくだけ
そんな小さな綻びに 気づいていたのに
心が身体を見落とすまで
明日のない世界へ行くまで
失うひとつを数えること
それを愛と呼ぶだけ
愛と呼ぶだけ
貴方の笑顔も瞬きひとつで
見えなくなるくらい未熟だ
それならもとより愛しい仕草を
知らないままがいいなあ
過ぎ去る生涯を 変わらぬ後悔を
命というから
どうしようもないほどに
貴方に惹かれているのだろう
この手を伸ばせど届かぬ向こう
夢を見るより遠くまで
去り行く貴方を求めたこと
それを愛と呼ぶだけ
愛と呼ぶだけ