きらきらり 春 あぜ道 漕ぎ出した自転車
あなたの手から離れ 転んで泣いた
大人になる事は 一人で立ち上がる事
土まみれの体を 抱え上げた 大きな手のひら
春夏秋冬 あの日の事を
想うたびに見上げる空 今は春
かなかなと 夏 すだれ 蝉の声も消えぬ間に
命短かし恋すれど 飛び立つ空いずこ
抜け殻だけが 今も 雨に濡れてる
黄金火の花映る 大淀川 流る面影
春夏秋冬 恋の栞を
押し花の様に挟んだまま 閉じた夏
るりるらら 秋 楓 蔦黄なり 小道を歩く
積もるのは 森の人生 久遠の時がざわめく
茜空 見渡すなら あの丘がいい
忙しいふりしてただけ
久しぶりに 帰ろうかな?
しんしんと 冬 家路 小窓の向こう待つ灯
白い吐息に肩すくめ 飛び込めば
「ただいま」を包みこむ 「おかえり」の笑い声
寂しさを解かすのは 飾らない まるい背中
春夏秋冬 日本の心
どんな人の生きる道にも 春は来る
春夏秋冬 誰かの事を
想うたびに 見上げる空 遠い夏
一人秋 集う冬 もうすぐ春