渺茫たる二十五時 風の止む路地
気色ばむ都市の喧騒 白々しい顔で歩く僕
この途方もなさに 立ち眩み
思わず身を預けた うらぶれたセンチメンタル
その純真の成れの果てを 侮蔑のストロークで
ドブの臭いがする川に投げ捨て 大きく広がった波紋に浮かぶ
顔 顔 顔
胸の張り裂けそうな僕に代わって どこか遠くで犬が泣いた
望郷に咽ぶ僕に代わって 都市の空に鳥が飛んだ
渋谷の果てに地平線 渡り鳥が飛んでいる
故郷に泣いてくれるな