道を案内する者もいない
世界の果て、
男は神の下に着いた
「神様、私は私に与えられるべき物を要求しに、
あなたの所にやって来ました。
私は土地が欲しいのです、
私の土地が…」
「よかろう、
それなら明日になったら、
夜明けに、
お前の足で歩いて行って
辿り着ける所、
そこまでがお前の土地になるだろう」
神は言った。
そして夢の次の日、
男は目を覚ますどころではなかった…
ドアを出るとその向こうに消え、
ゆっくりと行く代わりに、
彼は走った、その人生で
これまで走った事のない程に、倒れるまで…
コツ、コツ
夜明けに聞こえる
コツ、コツ
千回の音
残念だけど、それはチャンスじゃない
何故なら神様からの
全てのチャンスの
ノックは一度だけだから
ノックは一度だけだから