雨の夜は耳だけ澄まして
ノイズみたい辺りを包んで
見えない ここから
夢に見てた未来は来なくて
それでもまだとぼけて生きてる
ぼやけた鏡の
虚ろな姿が
溶けてゆく勝手な世界から
曖昧な光で飛び出す
顔のないぼくらの隙間から
溢れ出す記憶の錆色
薄い朝日 踵を濡らして
ぶらり歩く どこにも行かない
ぼやけた足音
滲んだ青空
風の吹く黄色い町並みを
ひと言にまとめて忘れる
古びた手のひらをポケットに
詰め込んで小石を蹴飛ばす