秋の田の
穂(ほ)の上(へ)に霧(き)らふ
朝霞(あさかすみ)
何処辺(いづへ)の方(かた)に
わが恋ひ止(や)まむ
君が行く
道のながてを
繰り畳(たた)ね
焼きほろぼさむ
天(あま)の火もがも
由良(ゆら)の門(と)を
渡る舟人(ふなびと)
かぢを絶え
行方も知らぬ
恋のみちかな