「形には意味などないから」
テレビの中で学者が言うのです
「私に意味などあるかしら」
嘆く私が私に言うのです
「言葉には力があるから」
教科書を手にセンセが言うのです
「私には力がないから」
逃げる私が私に言うのです
誰も、誰も
気付かないふりをしてた
声を、声を
押し殺した
だから
天使の輪をくぐって
一つ足を踏み出しても
ただ、ただ
君は私を覚えていて
背中に羽がなくても
体は宙に浮くから
まだ、まだ
息はできるかな
歪な髪、ハサミで切って
嘲笑ったあの子を笑いましょう
誰かにまた切られる前に
短く揃えてしまえば良いさ
「形ハナアニ、違イハ何処ニ」
些細なことなんでしょう
「言葉ハナアニ、永遠ニ祈リ」
三百六十度孤立無援
誰も、誰も
気付かないふりをしてた
声は、声は
届かなかった
真綿で首が絞まるような
緩やかな終わりの向こう
ただ、ただ
幸せだけが待っていて
「おやすみ」だけが人生と
嘆く私は思うのです
ただ、ただ
醒めないでと
だから
天使の輪をくぐって
一つ足を踏み出したら
ただ、ただ
君と私も離れてく
背中に羽などなくても
体は浮かんでくから
まだ、まだ
叫び足りないまま
「私、私」
私が生きてく証
「証、証」
見つけられない私
「私、私」
君が見つける証
「証、証」
「おやすみ」だけの私