愛は嫌いなんだ
君を一人残し
風と雨に晒したくはないから
午前四時、丘の上
瞬きを忘れても
星空は今も未だ
瞳に鮮やかに映る
唯独り、丘の上
見下ろせば濡れた街
振り上げた拳には
痛みが未だ残る
アスファルトに染みた跡を洗い流す雨
寂しい僕の心の奥君の声
届け。君の元へ
胸が焼ける思い
存在を確かめるように
冷え切った身体を抱いた
多分叶わないだろう
言葉は届かないだろう
闇が全部飲み込んでいくから
月は未だ、空の上
街の隅、ビルの陰
耳元で囁いた
「君は今幸せだから」
雨が温度を奪ってく
傷を腐らせていく
境界を越えてただ
世界は狂うばかり
「貴方は一体誰なの?」
問いかける瞳
絶える白い吐息、遠のく君の声
「痛い」「嫌い」何度も土に響く叫び
首の辺り舐めるように負の感情に火を付けて
柔い肌に微かに残る優しい温度も
僕が全部飲み干していくから
その小さな背中を追い掛けて
前へと必死に手を伸ばした
針が空を指してる
星が夜を包んでる
二人だけの世界 この手を振り解く
漏れる白い吐息、遠く君の声
愛は嫌いなんだ
君を手に入れるのに
複雑な理由は要らない
熱い身体を抱き寄せた
震える小さな肩
零れる大きな涙
乾いた頬濡らして 落ちてった
届け。君の元へ
胸が焼ける思い
名前も知らない瞳が
僕の心奪って逃げた
誰も未だ知らない
赤い月が照らす
今から始まる物語