友よ、土の中は寒いのだろうか
友よ、土の中には夜があるのだろうか
もしも寒いのならば
俺のぬくもりを分けてあげたい
もしも夜があるのならば
俺の手で明かりを灯してやりたい
友よ、俺の高野よ
こおろぎの
よちよち登る
友の墓石(いし)
昨夜も君の夢見たよ
何の変りもないだろね
東京恋しや 行けぬ身は
背伸びしてみる 遠い空
段々畑のグミの実も
あの日のままに うるんだぜ
流れる雲はちぎれても
いつも変わらぬ友情に
東京恋しや 逢いたくて
風に切れぎれ君の名を
さみしく呼んだら 泣けてきた
黄昏赤い 丘の道
田舎の駅で君の手を
ぐっと握ったあの温み
東京恋しや今だって
男同士の誓いなら
忘れるものかよこの胸に
抱きしめながらいる俺さ