1987年のうだるような6月
石までも乾いていた
ニーナは窓から外を見ている
彼女は16で世界が過ぎてゆくのを見ている
熱と焼けるアスファルトの蜃気楼の中
彼女は一目見て燃えるように感じた
息ができない それは普通じゃない
自分の感じていることは違うみたいに思える
おおニーナ 君はまだ小さい
これから愛を覚える
お母さん 今はほっておいて
君は君は
それがどういうことなのか本当はわかっていない
形だけの結婚をした
私を苦い舌(悪口)から守るために
私は私は
特別じゃないふりをする気はない
知っているふりをする気も何のふりをする気もない
一度でいい 普通の感じ方をしたい
こんなふうにニーナは愛を知った
とうもろこしの穂と塩の皮の間に
柔らかい手の中の唇
サラの顔に 夏の写真
それは正しくなかった 間違ってもいなかった
彼女にはそれは愛だった ただの愛
でも彼女の母には死の罪となる
ついにニーナの愛は否定された
おおニーナ 君は子供だ
愛が何なのか知らない
母さん 私に気づかせて
君は君は
それがどういうことなのか本当はわかっていない
形だけの結婚をした
私を苦い舌(悪口)から守るために
私は私は
特別じゃないふりをする気はない
知っているふりをする気も何のふりをする気もない
一度でいい 普通の感じ方をしたい
夏が終わって サラは去る前に
窓からニーナがのぞいているのを見た
誰も彼女たちが何を考えているかわからなかった
誰かが彼女たちがこう話すのを聞いた
「私はあなたに幸福を約束できない
でも悲しみを避けることはしてあげられる」
そしてみんなは彼女たちがいっしょにいるのを見た
いっしょに去って行った
一緒にいるのを見た
一緒に 一緒にいるのを見た
いっしょに去って行った
一緒にいるのを見た
一緒にいるのを見た