きっと私はそれだけで充分なの。
あの人の影を探しまわって、
5月の声に耳を澄ます。
きっとそれが私の願い。
窓から差し込む光の中、
まるで天がすぐそこにあるみたい。
瞳が空の色に染まって。
彼はこんな私のことなど知らなくていいわ。
私の夢の中は、バニラのような雪の結晶で閉ざされた冬だという事も。
雪と氷の世界をはだしで歩きながら、
彼への想いが私の中から消せない。
それでも、この想いが恋だと叫んだって恥ずかしくないわ。
彼の言葉を聞くたびに私の体中が熱く震え出すのを抑えられなかった。
何度も自分に、大丈夫と言い聞かせている。
でも本当はわかっているの。
私にはまだ彼が必要だって。
きっとそれは私にとっての幸せ。
花を摘みながらブラブラ歩いて
風に飛ばされないように庇いながら。
みんなから花束をもらったの、と嘘をつく。
もちろん相手が貴方じゃなかったなら、
私には朝日が見られなかったことでしょう。
橋で隔てられた
貴方の冷たい星の夜明けに。