水溜りに足を突っ込んで
貴方は大きなあくびをする
酷い嵐を呼んで欲しいんだ
この空も吹き飛ばすほどの
風を待っていたんだ
何もない生活はきっと退屈過ぎるから
風を待っていたんだ
風を待っていたんだ
吹けば青嵐
言葉も飛ばしてしまえ
誰も何も言えぬほど
僕らを呑み込んでゆけ
どっどど どどうど
風を呼ぶって本当なんだね
目を丸くした僕がそう聞いたから
ぶっきらぼうに貴方は言った
「何もかも思いのままだぜ」
風を待っていたんだ
型に合った社会は随分窮屈すぎるから
「それじゃもっと酷い雨を!
この気分も飛ばす風を」
吹けば青嵐
何もかも捨ててしまえ
今に僕らこのままじゃ
誰かも忘れてしまう
青い胡桃も吹き飛ばせ
酸っぱいかりんも吹き飛ばせ
もっと大きく 酷く大きく
この街を壊す風を
吹けよ青嵐
何もかも捨ててしまえ
悲しみも夢も全て飛ばしてゆけ、又三郎
行けば永い道
言葉が貴方の風だ
誰も何も言えぬほど
僕らを呑み込んでゆけ
どっどど どどうど