今までは おだやかな港に抱かれて
舞い遊ぶと鴎たちとたわむれていた
世の中を 吹き荒れる嵐の音も
ただ耳をふさぐだけで気にせずにいた
晴れやかな門出だけが あるわけじゃない
私は今 傷つくために 船を出します
おだやかな春の日や まぶしい夏の日
薄れゆく秋の日や こごえる冬の日
それぞれの日の光 それぞれの風の色
季節とのめぐり逢い 語り合い
少しだけ 痛ましい思いにつかれ
暗がりの部屋の隅でうずくまる日々
あたたかく 抱きしめる やさしい人の
胸だけがすべてならば しあわせだけど
花束を贈る人が いるわけじゃない
私は今 孤独の海に 船を出します
おだやかな春の日や まぶしい夏の日
薄れゆく秋の日や こごえる冬の日
それぞれの日の光 それぞれの風の色
季節とのめぐり逢い 語り合い