巡る四季をただ受け入れて
咲き散る時待つはずだった
「綺麗だね」と差された指に
いつの間にか弄ばれて
それも行く末と結ぶならば
拒む者の眼を免れない
枯れ果てる夢を見せよう
掟など意味を持たない
心まで貪り尽くせ
消えることを怖れ
下卑た興はとめどもなくて
手足を削ぎ"生ける"と謳う
その醜さすら散り際なら
美しく視える気がするから
戯れ会う花の色さえ
血を浴びて黒く染まれば
一片の微笑みがまた
傘の影に覗く
朽ち果てて忘れ去るなら
奪うため施すなら
ただ一つ花を捧げよう
訣別の言葉に代えて
人の世に愛でられるため
生まれる花は無い