シャワーの後の 曇った鏡
指でこすれば ぼんやり浮かぶ
涙忘れた 私の目には
あなたのかげ 映らない
なくしたものを おいかけるより
なくしたものに サヨナラ言える
そんな強さが 少し淋しい
肩のしずくを ふきとれば
窓ガラスに 広がる夜景
私の影ポツンと ゆれてる
バスローブに くるまって
洗いたての髪 乾かすの
好きな人なら いた方がいい
悲しい時なら 泣ける方がいい
だけど私 そしらぬ顔して 今日この頃
雨が降るたび 待たされたのも
電話の数が 減っていったのも
本を読んでは 暇をつぶして
理由も聞かずに 信じてた
優しさだけじゃ もろすぎたけど
優しさだけで 見つめていたわ
すぎてしまえば なつかしいだけ
冷たい ワイン 飲み干せば
流れてゆく テールランプに
あなたのいない夜が すべりだす
かけっぱなし ラジオから
よく口ずさんだ あのメロディー
微笑みなら 交わす方がいい
ぬくもりなら 分け合う方がいい
だけど私 そ知らぬ顔して 今日この頃
くりかえし