さみしさの つれづれに
手紙をしたためています あなたに
黒いインクが きれいでしょう
青いビンセンが 悲しいでしょう
あなたの 笑い顔を
不思議なことに 今日はおぼえていました
十九になった お祝いに
作った歌も 忘れたのに
さみしさだけを 手紙につめて
ふるさとに住む あなたにおくる
あなたにとって 見あきた文字が
季節の中で うもれてしまう
遠くで 暮らすことが
ふたりによくないのは分かっていました
くもりガラスの そとは雨
私の気持ちは 書けません
さみしさだけを 手紙につめて
ふるさとに住む あなたにおくる
あなたにとって 見あきた文字が
季節の中で うもれてしまう
あざやか色の 春はかげろう
まぶしい夏の 光は強く
秋風のあと 雪が追いかけ
季節はめぐり あなたをかえる