狐の嫁さん 雨傘持たずに
私の想いを 紡いでおくれ
大名行列 死人の門番
「開けて? 開けて?」
狐の嫁さん 雨傘持たずに
亡くした恋路を 迎えに逝こうぞ
鳥居の先には 私の体と
大名行列 死人の門番
ねぇねぇ 笑って、 笑って見せてよ?
やめて やめて 痛いよ
あなたの言葉は 優しくするから
拒んだ私は 刺されて苦しむ
ああああああああ 痛いよ
ああああああああ 助けて
痛いのやだから 君を受け入れる
ねぇねぇ? 笑って串刺しにするの?
都に生まれて 縛られ育った
何年たったか 気付けば私は
捻くれ 腐って 人間を食べた
何年たったか 誕生日のとき
あなたを見つけて 強く思った
食べたい 食べたい ほんとに食べたい
私はあなたを 身体で誘って
食いついたとこに 私が食いつく
おいでよおいでよ 私の所へ
私の寝入りは 女狐と共に
あなたは私の 体を触って
***
***
***
おいしい、おいしい すっごくおいしい
本当にあなたと ひとつになれたわ
骨までしゃぶって あなたを愛すわ
さあ、さあ ようこそ 鬼畜のどつぼへ
ほんとにこなすわ 解体新書
狐の嫁さん 雨傘持たずに
私の想いを 紡いでおくれ
大名行列 死人の門番
「開けて? 開けて?」
狐の嫁さん 雨傘持たずに
亡くした恋路を 迎えに逝こうぞ
鳥居の先には 私の体と
大名行列 死人の門番
ねぇねぇ? 笑って串刺しにするの?
やめて やめて 気持ちいい
私の全てに引き換え渡した 拒んだ舞姫 攫われ喜ぶ
命からがらの 羅生の後世に
「生ケル屍ヨ 全テヲ還ソウ」
大丈夫喋るな 喋ると殺すぞ
「姫様ご無事で こちら側ですよ」
おいでよおいでよ 私の所へ
私の寝入りは 女狐と共に
私の心は あなたのものだよ
***
私もなんだか 刺されて喜ぶ
***
おいしい、おいしい すっごくおいしい
そろそろなくなる あなたの身体が
お次はどなたを 食べちゃいましょうか?
大丈夫、しゃべるな しゃべると殺すぞ
了解、ご主人 仰せの通りに
狐の嫁さん 雨傘持たずに
私の想いを 紡いでおくれ
大名行列 死人の門番
開けて? 開けて?
狐の嫁さん 雨傘持たずに
亡くした恋路を 迎えに逝こうぞ
鳥居の先には 私の体と
大名行列 死人の門番が
僕は孑孑君の傷を
蛆虫のように グチュグチュと啜る
愛して愛して愛して愛して
なんだか身体が 熱くなってきた
僕は孑孑君の傷を
蛆虫のように グチュグチュと啜る
愛して愛して愛して愛して
ドウシテ? 許シテ 害シテ 返シテ
首無し演舞の 最終目録
千切って、啜って 約束を果たす
どうしたの?そんな悲しい顔して
今更知ったの? 私の本性
あんたが私をこうさせたんだよ
食べたい、食べたい いっぱい食べたい
最後に見つめた人間の心
晒して繰り抜き女狐に還す
「あははははは」
「あああああ!」
狐の嫁さん 雨傘持たずに
私の想いを 紡いでおくれ
大名行列 死人の門番
「開けて? 開けて?」
狐の嫁さん 雨傘持たずに
亡くした恋路を 迎えに逝こうぞ
鳥居の先には 私の体と
大名行列 死人の門番
失くした身体と 引き換え手にした
二人の想いは 黒夢うつつで
最後に抱いてと あなたに呟く
「開けて? 開けて? 開けて? 開けて?」
狐の嫁さん 雨傘持たずに
亡くした恋路を 迎えに逝こうぞ
鳥居の先には 私の体と
大名行列 死人の門番