もしも私が 戻らぬ時は
探しに出かける ことはない
野垂れ死にだと 指をさし
そうよたしか
あんな奴もいたっけと
あゝ いっとくれ
弱いあんたと 所帯を持って
うわべのしあわせ 感じたが
それも芯から 疲れはて
そっとひとり 遠い旅へ出かけたい
あゝ 何もない
部屋の荷物の 処分はすべて
あんたにまかせて 出て行くわ
中にゃ思い出 あるけれど
そんなものを
持って出てもしょうがない
あゝ 捨てとくれ
未練持つには 不幸が多く
派手に死ぬには 弱過ぎた
鳥がこの身を ついばんで
風の中の 白い骨になればいい
あゝ なればいい