駅のエレベーターがあまりにも唯物的で
この六月のとある一日ですら とても唯物的に思えて
だから僕は 僕の情緒と秘密を交わし合う
改札を抜けると 少し夏の匂いがして
色んな人が最大公約数的に笑って
その重量が 個人的な空白と釣り合わず
僕は 僕の情緒と秘密を交わし合う
虚しい 寂しい と言ったら終わり
虚しい 寂しい と言ったら終わり
虚しい 寂しい と言ったら終わり
虚しい 寂しい
石畳の歩道が 日照りでとても熱そうだから
今年の六月は ここに捨てていこうと
アイスクリーム屋の看板を見て
思った