俯角の無いうわ言に
その卑しさに
触れ続けていたよ
否定をするその癖に
傘は閉じずに
空を見上げる
愛と言う名の怪我を負わせた
私自身は
鉄の印に皮膚を焼かれて
囚われる
うやむやの形だと
伝え切れない物で
孤独のふりも
出来ないね
溢れ出した
胸騒ぎ この胸騒ぎ
蠢く 景色が
問いかけるよ
君が好き ほら君が好き
溺れるぐらいに
それは口に溶け合うみたいに
理屈の中を掻き分け
胸の回路へと
響いた
諸説あるが喜びは
個々に等しく
在るべきではないと
突き放してみるけれど
まだ渇望は
覚め止まない
水と油を混ぜる
肩代わりの 中和剤のように
派手さは無く 現れたの
刹那的な心に
無碍に咲き出す花束
過ごす世界の違いだけ
その違いに
足竦むばかりで
震えていたけれど
躊躇も終わる
こめかみを撫でたその
仕草には寂しさが
僅かでも 言い訳を許さなくて
絡み合う吐息すら
甘く果てなく帯びる
全てを知れば
戻れない
溢れ出した
胸騒ぎ この胸騒ぎ
両手に零れて
理性が飛ぶ
誰のせい? ねえ君のせい
自惚れじゃないの
それは口に溶け合うみたいに
理屈の中を掻き分け
胸の回路へと
響いた