緋を燈す 錆びた胸
揺さぶる月影
早鐘さえ 抑えて
心を梳く
すぐ遠く でも近く
硝子の距離
冷え切った手が 渡れば
消し去るほど
揺蕩う青宙
識りたい 融けたい 触れたい 鎔けたい
合いたい “熔けていたい” あげたい 解けたい
芽に降れる 軽い夢
矩形の星
戸惑う故意 霞めて
傷を奪う
ふと過ぎる 灰の果て
痺れ、縺れ
七彩の瞬間 惹きつけ
未来で泣く
宵明けのその先で 待てない
舞い散る温度に 震えている爪先
迷いが足りない
在るほど怖くて 届くと思えて
終点が見えなくて
それでも、求めて
痛み加速させる 衝迫は
欠片を集めた
自分だけの 羽ばたく形
「帰れない」と笑おう 走れる
重なり繋いで 刻みつけ固めた
過去から
跳び発つ