アイヴァリは波幾千幾万の彼方
塩気の日々、太陽はいつもそこに(いつもそこに)
道を逸れて蛮地を失った
マケドニアの鳥たちに索具
鮫を待ち伏せたりしながら
黒い魚は行ったり来たり
その描く円が小さくなっていく
アイヴァリは波幾千幾万の彼方
私たちの髭は伸び、心は変わってしまった
犬はたけり狂い、吠え抜く
助けてくれ-でなければ私たちは共食いだ
アイヴァリは波幾千幾万の彼方
時折、リラの音で和まされる
真中の帆柱に後手に縛られ
ヒオス島のしゃがれ声の盲いた預言者は
樹脂を噛みながらヘレンを称えたり
ジャヴェレナの踊りを導いたり(踊りを導いたり)
アイヴァリは波幾千幾万の彼方