人の世 見つめて幾年
散り交う 儚き花
流れる時に 身を任せ
戦友の訪ね待つ
「遊べよ 幼き童
大きく 育て育て
桜のお爺は お前ら
ずうっと 見守ろう」
この老樹に刻まれた
疵が語る 戦の記憶
未来担う 子どもらを
その幹に抱いて
風が報せる、戦友の死を
やがて私も逝くだろう
今はせめて、皆のため
最期の一花 咲かせよう…!
老いたる桜 枯れ、往生
静かな眠りに