晴れた日よりも雨の日が好きで
冷めたふりしていつも泣き虫で
鉛色に染まる部屋の中で
君が置いていった硝子壜だけが
色を集めて光反射して
ただひとつ
綺麗だった
「まぶしくて目を閉じている間に、
大事なものをもし見過ごしてしまったら嫌だから、
太陽より、私は月が好き」
鉛色に染まる部屋の中で
君が置いていった硝子壜だけが
色を集めて光反射して
ただひとつ
綺麗だった
悲しみがほどけない
巡りくる明日に
もう君はいない
悲しみがほどけない
小さな硝子壜
もう花は咲かない
嗚呼