むかしむかし。
あるとこに、おじいさんとおばあさんが、
小さな家でつつましく暮らしていました。
川で洗濯しているとき、大きな桃が流れてきたり。
山で芝刈りしているとき、輝く竹を見つけたり。
・・・なんてこともなく、
平穏な毎日を過ごしていました。
同じ家に住んで、同じ米を食べて。
ドラマチックな出来事などひとつもないけれど。
それは二人にとって素敵な物語。
おやすみ。めでたし、めでたし。
むかしむかし。
あるとこに、おじいさんとおばあさんが、
小さな家でつつましく暮らしていました。
助けた亀に連れられて、竜宮城へ行ってみたり。
殿様の前で美しく枯れ木に花を咲かせたり。
・・・なんてこともなく、
ありふれた毎日を過ごしていました。
ともに歳を重ね、しわの数も増えて。
振り返っても足跡さえ残ってないけれど。
それは二人にとって素敵な物語。
おはよう。はじまり、はじまり。
落し物は探さずに、見返りは求めずに。
ほんのささやかな幸せ、
分かち合って歩いてきました。
あの日出会えたこと、互いを愛したこと。
ドラマチックな出来事など望んでないけれど。
どうか二人にそっと穏やかな毎日を。
最期の眠りにつく日まで。
おやすみ。めでたし、めでたし。