ぼくは大勢のなか ただのひとり
機械が上陸した青い海で
同じ広告が何度も流れる
網膜に強く焼き付いたLED
はねつけられたら
きみのプライド著しく傷つけられた
愛がすべてというなら
汚れひとつ許せないね
土足厳禁の庭で息をとめるのかい?
哲学者の友達はきびしかった
遂にぼくを許してくれなかったけど
嘘だけは絶対つかなかった
“ついていい嘘なんてあるわけがない”
死んでしまってからも
ぼくはそれを誇りにおもうよ
どんな美しいひとも
じぶんの嘘に気づいていない
超然としていたって
あたまはからっぽさ
風が止んだら 人が倒れる
観客のいないドミノ遊び
悲鳴が止んだら 鳥が笑った
息吹きかえす いくつもの産声
森を突き抜けて立つ狼煙のようだ
割れる喝采のなか
さあ はなしをしよう
想像上の神の庭で
だれもうまく踊れないよ
超然としていたって
あたまはからっぽさ
ダンス!ダンス!ダンス!
きみの孤独が 世界を救うかもしれない
荒れはてた庭で
ひとり なかよく踊りましょう