夜明けの波が見たくて
走りつづけた ハイウェイ
季節はずれの潮風に
ただ一人 まみれる
波打ちぎわで 見つけた
コーク・ボトルの中に
サヨナラと書かれた写真
笑う男の子
"SO(ソー) LONG(ロング) MY(マイ) LOVE(ラブ)"
誰か流したかしら
にじんだ文字が旅の長さを教える
昔の私に似た 無口な少女の
ドラマが眠るよう
写真をちぎれなくて
ただずむ泣き顔 浮かんで来るの
写真を波に託した
見知らぬ その少女は
今はもう 大人の顔に
なってることでしょう
"SO(ソー) LONG(ロング) MY(マイ) LOVE(ラブ)"
なぜか やさしくなって
思わず壜(ビン)を波に静かに浮かべる
笑顔の男の子が サヨナラの文字が
小さく遠くなる
流れて行くといいわ
この空の下を どこまでも
大人にならないまま
大人にならないまま......