スイッチを押したのは
私ではないのです
今日の朝
私がとっても大好きな優しいパパが
ぐちゃぐちゃな血と肉片の塊になりました
工場で働くパパの仕事ぶり
それを見てるのが楽しくて
毎日のように見学に来てました
赤いスイッチは
とても危険だから
押してはいけないという
言いつけも守ってました
スイッチを押したのは
私ではないのです
スイッチを押したのは
もう一人の私なんです
いい子でいようとあれほど決めたのに
どうしてあなたは勝手なことするの?
ねえ 先生
パパが死んだのはオルターエゴのせいなのです
先生がくれた
青と白の錠剤を
飲んでればスイッチは
入らないって言ってたじゃない
スイッチを押したのは
私ではないのです
入れ替わるスイッチは
いつのまにか押されていたの
生まれた時から私の中には
殺したがりの彼女が根付いていたのです
スイッチを押したのは
私ではないのです
スイッチを押したのは
もう一人の彼女なんだから
私は悪くない
私は悪くない
私は悪くない
私は悪くない
私は悪くない
私は悪くない
だから
その注射は打たないで
その注射は嫌いなのよ