おいらは、自分の舟の上で踊っちまってたんだ。
むごい海の沖でだ。
そしたらよ、吼え立てている海が。
(おいらに向かって)言うんだ。
『てめえは、盗ったんだぜ。
何にも、替えることができないあの輝き(あの女の愛)をだ。
おまえさん(いま思い浮かべているあの女)のとてもきれいな目の(輝きをだ)』
見に来いって。海さんは聞き分けのよいものかって。
ここに来て見てみな。おいらの心が踊っているところを。
もし、おいらが、自分の舟の上で踊り出しちまったらよぉ、
むごい海を漕ぎ進むなんてことはお仕舞よ。
おまえさんに言えなくなっちまうぜ。どんな所へ行って、おいらが歌っていたか、
笑って、踊って、生きて、夢見ていたか・・・・おまえさんといる夢を。
(注)原文4行目の間接話法を括弧内のように言い換えました。