カップに注がれたお茶 汗と恋人たち
電話のブース
私たちは7月と同じようにここにいる
私の耳でまだベルが鳴っている
タクシー ボールを持った子供 子供たち
汚れたガラスの向こうで
鼻を窓におしつけている
ブレーメンから来た汽車の
皮ジャケットを着た女の子が
足を組んで
結局私はその人じゃないと
そう思っていたみたいだ
プラットフォームの鳩は休んでいる
ランプに照らされた雪片のように
時計は汽車の出発を測る
どれも同じように正しく誠実に
アダムはイヴのためにたくさんの星を数える
彼女は明日の夜まで眠る
林檎は私の手から膝に落ちる
空は紺色のクレープデシンでおおわれて
カップに注がれたお茶
神は人々の道を知っている 眠りはみんなに勝つ
眠り姫もまた
話して 愛して メッセージをガラスの上に吹き付けて
そうしたら私は矢のように飛んで行く
アダムはイヴのためにたくさんの星を数える