積み木の様に積み上がり 砂漠の様に乾いた街角を
一つずつ一つずつ 指を折る様にすり抜ける様に
タイヤのチューブは擦り減り こぎ出すペースを奪い去る様に
少しずつ少しずつ 彼は離されたんだろう
真昼の朝に干上がり 黒地に僕らがへばりつく様に
一つ二つ一つ二つ 奪われるように失うような
スピードに意識を混ぜ込み 失う怖さを紛らわすたびに
少しずつ少しずつ 僕は寂しくなったよ
遠く向こうから 雨の匂い
少し前から 気づいていたんだよ
走り出してすぐの 彼にだってふりむけビーナス
いつかはこの空洞を埋めるように 微笑みあいたいな
錆びた 色が褪せた朝の
こぎ出せ 走り出せ
振り返れば 見えなくなって 誰もいなくなたって
進まなきゃ さあ
ゆきづまった 現在の 僕らにだってふりむけビーナス
いつかは この空洞を埋めるより 微笑みあいたいな
走り出して すぐの 彼にだってふりむけビーナス
いつかは この空洞を埋めるより 微笑みあいたいな