隠し通せぬなら 全て失っていい
そう契って 人と恋に落ちた
化け猫の話
恋人を亡くした君に
笑顔を取り戻したくって
僕は彼に化けて生きると
満月に誓う
泣き崩れた君を
強く抱きしめ言った
「もう一人にしないよ」
あぁ、神様
僕は残酷だ
記憶喪失を演じてさ
でもその笑顔のためなら
どんな嘘も罪も許される
そんな気さえしてた
ある夜、君は切り出した
「ねぇ、あなたの瞳は 彼とは違ってるわ
...だけど構わないの」
震え出した僕を
君は抱きしめ泣いた
「もう一人にしないで」
あぁ、神様
これが罰ですね
化けの皮が剥がれ
人の言葉も失って
逃げる僕の背中に
君は言った
「ありがとう」と
あぁ、罪深い僕を
君よ、どうか憎んでおくれ