ぼくは櫂を水につける
君の櫂をぼくの方によせる
光を見たような気がする
川の向こう岸に
日々は少しずつ
寒さを消してゆく
光を見たような気がする
川の向こう岸に
何よりも信じる
すべて失ったのではないと
多くの涙 そしてぼくは
からっぽのガラス
ぼくを呼ぶ声がきこえる
ほとんどささやきのような
こぐ
こぐ・・・
この世界の川岸で
獲物でないものは不要だ
光を見たような気がする
川の向こう岸に
ぼくは一生けんめいこぎ続ける
深いところでほほえむ
光を見たような気がする
川の向こう岸に
何よりも信じる
すべて失ったのではないと
多くの涙 そしてぼくは
からっぽのガラス
ぼくを呼ぶ声がきこえる
ほとんどささやきのような
こぐ
こぐ・・・