熱い涙も 枯れて出ぬのに
吐息が咲かせた バラの花びら
いとしお方を あきらめて
ひとり切なく あきらめて
影よお前も 泣いていたのか
紅い花なら 胸の炎よ
今宵も白蛾は 一人身を灼く
夢と想えば あきらめて
過ぎた昔と あきらめて
見れば恋しい 人の面影
冬が忘れた 白い手袋
私のこゝろに 雪が降る降る
春も来るのに あきらめて
ひとり淋しく あきらめて
散らす追憶 バラの花びら