春一番が吹き荒れた後
花を敷いた路地へ
今日こそ返事聞かせてくれと
問いつめられそうで
あなた以上にやさしい人は
いそうにもないけど
結婚なんて旧(ふる)い言葉に
縛られたくなくて
橋の名は愛染橋
ほほえんで渡れば恋がかなう
うつむけばそれきりとまどい橋
うちは淋しい女やからね
愛なんてよう知らん
時の流れも春のうららに
渡りたい 渡れない
髪の芯まで飽きられる日が
来ないとも限らず
そしたらすぐに別れる勇気
ありそうでなさそで
橋の名は愛染橋
ただ一度渡ればもう戻れぬ
振り向けばそこから想い出橋
うちは愚かな女やからね
人生もよう知らん
けれどあなたに手招きされて
渡りたい 渡れない