風の音だけが響いている
やけに広く 寒く感じるリビングの
室温を上げる朝
見れば 窓の外は白く
「ねぇ雪だよ」と
癖で振り返ってしまう
君はもういないのに
「今すぐあの子の下へ」 と
分かってない心は叫ぶけど
逢いたい 逢えない
雪よ もっと降ってくれ
電車も高速も飛行機も
全部止めてしまって
「二度と離さないよ」と君を抱きしめる
そんな未来は捨てたのに
逢いたい
早足で抜ける人ごみ
不意にキミの声が聴こえた気がして
振り返ってしまう
頬に落ちた白い雫
せっかくの初雪も キミがいなければ
にわか雨と同じ
「連絡先は消していない」
かじかんだ指先が叫ぶけど
逢いたい 逢えない
雪よ もっと降ってくれ
電波も後悔もこの涙も
凍らせてしまって
「二度と離さないで」とキミに縋りつく
そんな未来は捨てたのに
逢いたい
逢いたい 逢えない
雪よ もっと降ってくれ
電車も高速も飛行機も
全部止めてしまって
すれ違ったあの日々を水に流して
零から愛をやり直す
そんな未来は捨てたのに
もう終わったって 分かっているのに
逢いたい
逢えない