夜の波止場にゃ 誰あれもいない
霧にブイの灯 泣くばかり
おどま盆ぎり盆ぎり
盆からさきゃ おらんと
あの人の 好きな歌
波がつぶやく 淋しさよ
「ああ 今夜もブイの灯が
冷たい私の心のように
うるんでいる
あの人のいない港は
暗い海の波のように淋しいわ
あの人がいつも唄った歌が
今夜も私を泣かすのね」
三月待っても 逢うのは一夜
恋も悲しい 波止場町
五ッ木くずしは
しんから 泣けるよ
思い出の 滲む歌
耳に残って 離れない