ひとつ、
花のゆめをみて、
ころころと駆けめぐる、こころ。
ふたつ、
星をみあげて、
光は、ねぇ、すんすんと
しずくになってゆくんだよ。
みっつ、
おなかが空いたら、すこし哀しくなって
たくさん空気をすいこんでみた。
おなかも、こころも、いっぱいにはならないんだね。
よっつ、
指尖に赫い色
つま先に黒い色
塗ってみて、まだ似合わないと笑ってた。
鏡のなかで、あそんでる。
いつつ、
いっとう最初にみつけた星に
名前はまだない。
まぶたの裏に映ってる光を
まばたきのあいだだけ
平気だとうそぶく。
むっつ、
いつか、遠い場所から自分をながめていた。
緑色の海のむこうがわで。
妄想の自分が微笑んで、
呼んでいる気がした。
ななつ、
棘が刺さって
赫い雨に濡れる。
まばゆい闇に吸いこまれた
もう孵る。
塗りつぶした心の骸殻。