あなたの切り捨てた未来の中
ただ動けずにずっと
浮かんでは消えた面影さえも
触れることすらできないまま
きっとこれからも
あなたに届くことはないだろう
かすれていく思い出はいつの間にか
深い夢の中へおちていく
片隅に一つ残った
幻想にしがみついて
剥がれ落ちてもあなたの影を求めて
掻き消すように叫んだ
あなたの名前を何度も
他愛もない言葉を
汚れきった最後 見守るように
手を伸ばせずに 今も
偏った愛を綴り続ける
「あなたに届きますように」
記憶を辿りながら
紙の上に並べる言葉を探す
懐かしいあの声が
どこからかふと聞こえた気がした
繋がれた手の温もり
探してたあの面影
涙がそっと雨と共に落ちていく
失ったはずの未来
塗り替えるように頬を撫でる
「僕はちゃんとここにいる」
片隅に一つ残った
幻想はもういらない
陽の光さえも祝福するような
隠してた鼓動の奥
小さなもう一つの命
やっとあなたに届いた