はぐれて一葉
浮世の河に
ゆられゆられて
舟となる
誰を乗せるも 同じこと
ただ重すぎぬ 恋と願いつ
沈んで一葉
浮世の波に
のまれのまれて
夜を知る
愛とよぶには 苦しくて
河の流れに その身ゆだねる
流れて一葉
浮世河原に
うちあげられて
忘られる
誰を恋うるも 空しくて
ただ泣きぬれて 花ほころびぬ
しぐれて一葉
浮世の夢に
しだれ浮かべる
宿り露
こぼれ落ちれば 砕け散る
はかない命 うつくしきもの